●電気電子工学科教授/工学博士
[研究テーマ]超電導応用・パワーエレクトロニクス/電力変換研究室

1950年岐阜県出身。
名古屋大学工学部電子工学科卒。
同大学院工学研究科修士課程修了。
愛媛大学工学部電気工学科助手、
東京工業大学工学部電気電子工学科助手を経て、
1988年本学電気電子工学科助教授、1995年教授と
なる
「好きだから」に勝るものなし。

6年前、機械工学科と共同でソーラーカーの開発研究が始まった。最初はモータ制御の担当として参加していたが、レースを重ねるうちに「もっと速く、もっといい結果を」と、今では研究室の学生も巻き込んで夢中になり、現在は「高性能化」が課題である。

それこそレース前になると、毎晩遅くまで悪戦苦闘の日々が続いている。色々と制約はあるものの、太陽電池から如何に最大電力を取り出し、これを如何に効率よく機械エネルギーに変えられるかが、私の腕の見せ所である。

そもそも電気電子工学を選んだのは、応用範囲が広く、未知の可能性がある分野だと思ったし、モノ作りが好きだったせいもある。しかも、はんだごてやら配線など、計算は別としても未だに手作りの世界が残っている楽しい学科でもあったからだ。楽しいし面白いしで、アルバイトや夜遊びもすることなく、言わばオモチャ作りのような感覚で、昼夜を問わず実験に励んでいた。

私の研究テーマは院生時代から続けているもので、電力用半導体を用いた電力変換技術(パワーエレクトロニクス)と、東工大時代に始めた超電導の電力機器への応用。その目的は、実社会に役立つモノを作ることにある。例えば、インバータエアコンは、直流を可変周波数の交流に変換するインバータという装置によって、コンプレッサの回転数を制御している。安定した温度調節・静音・省電力を可能にした、そのインバータが、私の専門分野でもあるパワーエレクトロニクス技術だ。研究が進むにつれ、地球環境も含めた我々の生活も進化してゆく。実に楽しく、やりがいのある研究である。

モノ作りが好きであれば、本学では万全の設備と環境がバックアップしてくれる。やりたいことが何でもできる、素晴らしい環境にあると言っても過言ではない。何に興味があるのか、何を作りたいのか。自分がそうしてきたように、「好きこそ物の上手なれ」を尊重したいと思っている。