学部

 

人類学(Anthropology)

 人類学は、人間の行動とその多様性を統合的に理解するのを目的とする学問で、主にSociocultural Anthropology(社会/文化人類学)、Biological Anthropology(進化人類学、霊長類学など)、Linguistic Anthropology(言語人類学)、Archaeology(考古学)の4つのSubfieldに分けられます。社会/文化人類学は社会人類学(Social Anthropology)と文化人類学(Cultural Anthropology)に分ける場合もあります。UCLAの人類学科は、他の大学と比べても、かなり規模が大きく、教授の研究分野やコースも多様で、Subfieldのバランスのとれたプログラムと言えます。また、学内のあらゆる学部とのInterdisciplinaryな関連も深く、医療、看護、教育、法律、社会福祉、都市計画などの方面を目指す学生にも適する学科と言えます。

 本学科では、BAとBSのどちらも取得が可能です。例えば、Biological Anthropologyを専攻する一部の学生は、BSプログラムを選びます。しかし、大半の学生は、BAを取得するようです。

 BAの場合、Preparation for Majorとして、Lower DivisionのAnthropologyのコースが4つあります。また学科の必修として、1)Archaeology、Biological、Cultural、Linguistic、Socialの5つのSubfieldから、Upper Divisionのコースを1つずつ、2)Regional Culture(地域研究、例えばアジア、アフリカなど)を1つ、3)Upper Division Anthropologyの自由選択が4つと、4)自分の興味の関連分野のUpper Division(人類学以外、学科が準備したリストを参照する)が4つ、となっています。BSの場合、1)〜4)のRequirementはBAと同じですが、Lower Divisionの理科系の必修が多く、統計学を2コースを取らなくてはなりません。特にBAの場合、選択の幅は広く、かなり自由に好きなコースを取っていくことができます。その一方で、フォーカスの定まらないまま卒業という危険性(?)もあります。因に、SubfieldのConcentrationを決める必要はありません。

 また、総合GPA3.00以上とUpper Division AnthropologyのGPA3.50以上ある学生には、選択の1つとしてHonors Thesisがあります。Honors Thesisは、日本の大学でいう卒業論文のようなものです。学生はJuniorからSeniorにかけての4学期間を通じて、Honors Studyに登録し(計16単位)、3人のAdvisory Committeeの指導の下、30枚程度のThesisを書き上げます。成績は学期ごとに出されるのではなく、Thesisの提出後、4学期を通じた最終成績が与えられます。Honors Studyの単位は、Independent Studyと同様、8単位まではAnthropologyの選択科目といて勘定されますが、あとはUpper Division Electiveとなります。

 Freshmanから入学した場合、こつこつとRequirementをこなしていけば(例えば、Majorの変更をしたりしない限り)、4年間で卒業するのは難しくないと思います。また、Community Collegeから編入を希望する人は、編入前になるべくLower DivisionのRequirementは終わらせておくようにするとよいでしょう。

 

生物学(Biology)

 UCLAの生物学科は医学部の近くにあるので、医学部と共同研究することもあります。生物学科は医学部と共に一流の研究設備が整っています。教授の質も高く、教えることも相当高度です。それだけに競争も激しく、生物学専攻の学生のうち、生物学学士(Bachelor of Science)として卒業する人は25%しかいません。そう、4人に1人です!また、学費が安くて優秀なUCLA医学部が近くにあるせいか、生物学専攻の学生のうち、90%は医学部志望だそうです(アメリカの大学の医学部は、高校卒業後大学入学から6年で卒業できる日本の大学医学部と違い、大学で学士(B.S.)課程終了後医学部に4年行かなければなりません。つまり、米国では高校卒業後8年で医学博士(M.D.)を取得することになります。)。この医学予備生は英語でPre-medical Student、略してPre-medと呼ばれ、鼻息が荒いことで有名です。このPre-medの連中がこの学部の競争を激しくしているのです。私はクラスでAをとるのに如何に苦労したことでしょうか!(因にPre-medというあだ名は揶揄を込めて言われます。)

 生物学科は生態学系統と分子学系統と2つに分かれています。生態学系統は最近の環境保全ブームのせいか人気があるようです。私は分子生物学系統に入りました。流石に難しいだけあって数は少ないようです。分子生物学系統は競争が激しく、取るべき科目も難関コースが多いので、余程これが好きな人、あるいはマゾヒスト以外にはお勧めできません。おかげで私は在学中、1学期に15単位以上は取ったことがありません(最高14単位)。

 

 

 私は大学院に入る前に生物学研究の経験を積むべく、UCLA医学部精神医学科の研究室に入りました。ねずみの脳の遺伝子の異常が実際にねずみの行動に与える影響を調べていました。これが本当に人間の脳疾患の治療に役立つかどうかは定かではありませんが、とにかくやりました。研究室での失敗など思い出していたらキリがない程多いのですが、この中でも特にひどかったものをあげてみましょう。

 まず一つ、この失敗は水酸化ナトリウム(NaOH)濃縮水溶液を作るときに起こりました。その時個体のNaOHをテーブルに散らかし、そうとは知らずに放置してしまいました。そのNaOHに研究員の一人が触れて火傷をし、後で私のボスに散々に絞られました。

 次の失敗は、放射性物質入りの溶液を床にこぼしてしまったことです。運悪く研究員の一人がこぼれた溶液を踏んでしまい、方射性物質を全部処理するのに長い時間がかかってしまいました。またボスに散々絞られました。

 暫くした後、またもや放射性物質を床にこぼしてしまいました。今回は幸い私の他誰も溶液を踏んだ人はいませんでした。それでもこれを処理するのに骨が折れました。どうやら放射性物質の扱いは、こぼしてはいけない、こぼしてはいけないと神経質になればなるほどかえって失敗するようです。最も放射性物質は実際に危険ですから、私にとっては神経質になるなと言うほうが無理でしたが。

 こんなに大失敗をたくさんやらかすと、場合によっては研究室から永久追放ということもあるそうですが、私は初心者だったので大目に見てもらえたようです。私という原子爆弾と9ヵ月もつきあって下さった研究室の皆さんには頭が下がる思いです。この研究はクラスの勉強と同時進行で、しかもボスは、大学生の研究は1週間12時間という建て前を無視して週に20時間位私をコキ使いましたので、正に地獄でした。寝不足でこのような失敗をやらかしたこともありました。読者の皆様、もし研究をなさるなら、一日の予定をしっかり立てて生活し、できるだけ寝不足のまま研究所に入らないでください。

 最後に、失敗は成功のもとと言いますが、生物学の研究の失敗は、ハッキリ言って健康を害するでしょう。劇薬を浴び、放射線を浴びたら寿命は何年縮まるでしょう。できる限り失敗しないほうが身のためです。

 

経済学 (Economics)

 UCLAの経済学では、限られた資源をいかに有効に使って生産をするか、対人関係の矛盾を経済原理を用いてどのように問ていくかを学ぶことに重点をおいています。また、経済以外でも、大学院を法律(Law)、経営(Management)、社会管理(Public Administration)、ジャーナリズム(Journalism)、社会福祉(Social Welfare)、建築(Architecture)、都市計画(Urban Planning)、教育(Education)へ進もうという方にとっても有効な理論を考える上で、よいバックグラウンドになるでしょう。

 経済学はStraight Economics,  Economics/International Area Studies, Business Economicsの三つからなっています。専攻を決める際、この内の一つを選ぶことになります。Preparation for major ですが、International Economics、 Business Economicsに関しては、Straight Economicsを基にいくつかのクラスを加えて取ることになるので、専攻が決まらない間はStraight EconomicsのRequirementを取っておくとよいでしょう。

 Preparation for Majorとして、Lower DivisionのEconomicsのコースが4つ(Econ 1、2、11、40、もしくは Statistics 50)そしてUpper Divisionが2つ(Econ 101、102)あります。その他、English 4、もしくは100w、もしくは129;Math 31A、31Eを総合GPA 2.50以上でパスすることが必要になります。Business Economicsは上のRequirementすべてに加えて、Management 1A、1Bの2つを取ることになります。この際、Major Total GPAは3.00以上必要になります。しかし、Business-EconomicsのAdmissionは競争率が大変高く、GPA3.00以上でもAdmissionの保証はないようです。UCLAでは、ManagementはAccountingを意味します。編入の場合ならLower DivisionのBeginning Accounting2クラスは終わらせてくると早くMajorに入れてよいでしょう。International EconomicsではStraight Economicsに加えて6Quarterの外国語を取ることが必要になります。なお、母国語である日本語の使用は、渡米が12歳以前であったことが条件になっています。

 Upper DivisionはStraight EconomicsでEconomics Electiveを合計9つ取ることになります。Business EconomicsはElectiveとしてManagementのクラスを、International EconomicsはEcon191、192、193と自分の選んだAreaに関する歴史や地理、そしてEconomics Electiveを取ります。あとは、Upper Division Electivesです。

 

数学(Mathematics)

 「数学は科学の女王である。」.....ガウス。

 数学は数と、数同士の関係、また空間の構造と計測の学問です。数学は物理、化学をはじめ、理数系の各分野で必要不可欠なのは周知の事実です。しかしここ数年の技術の進歩により、高度な数学はその他の分野にも応用されるようになってきています。通信、信号処理、経済学、経営学、生物学など、多分野に応用範囲を広げてきています。よって数学部の卒業生の社会での需要は高まってきています。

 UCLAの数学部は、大きく応用数学科(Applied Mathematics)と数学科(Mathematics)の二学科に分けられます。応用数学科は数値解析、確率統計などを中心とする計算を学び、数学科は代数、解析、幾何、数理学などの理論を学習します。他にActuary向けのMathematics for Computation、高校教員向けのGeneral Mathematics、Double Major向けのMathematics/Applied Scienceの特殊学科が数学部にあります。しかしながら、大学院への進学に不利なこれらの学科はあまりお勧めできません。以上の学科のすべてに共通して言えるアドバイスは、「卒業を急ぐな。」の一言です。何故か、数学部の必修は一番難しいとされる数学科でも三年で卒業できるほど必修単位が少なく、本当の数学の醍醐味はこの三年分の必修にあると思われるからです。それゆえ卒業必修単位修得後、すべての学部レベルの代数、解析、微分方程式、また大学院レベルの函数解析、非線形微分方程式などを修業してから卒業することをお勧めします。もう一つ、数学を勉強する方は物理や科学、電気工学などの講義を受けてみるとよいと思います。数学がありとあらゆるところで応用されているのを目の当たりにし、新たに数学の素晴しさに感動することと思います。

 数学部の各学科の必修科目はMath Science Buildingの6階にあるStudent Services OfficeでUndergraduate Handbook(無料)を入手すると一目瞭然です。このHandbookに一年分の数学の講義のスケジュールや学科別のCourse Plannerが載っているので便利です。

 数学をマスターすれば可能性は無限です。頑張って下さい。

  

大学院

 

人類学(Anthropology)

 UCLAの人類学の大学院は、人類学のBachelor's Degreeがなくても、出願することができます。修士課程と博士課程の両方がありますが、博士課程の取得を希望する人に限り願書を受け付けています(事実上、修士課程のみ取得したり、修士課程終了後、他のプログラムに移ったりすることは可能です。)。修士課程が終われば、新たに出願しなくてもそのまま博士課程に進めます。

 修士課程のRequirementは次の通りです。1)まず、各自の研究課題に関わらず、Archaeology、Biological、Cultural、Linguistic、Socialの5つのSubfieldそれぞれの基本的知識が要求されます。このRequirementは、各SubfieldのCore Courseのうち、学部で取らなかったものを取るか、またはPetitionもしくはSpecial Core Course Examinationにパスすることにより満たすことができます。2)Courseworkは、10コース(40単位)が必修です。このうち少なくとも5コースは、大学院のレベルのセミナーでなくてはいけません。3)自分のSubfieldの大学院Core Course(1コース)。4)外国語。フィールドワークやLibrary Researchに使う外国語の語学力をテストを受けるなどにより証明します。外国人学生の場合、petitionにより、英語でこのRequirementを満たすことができます。5)修士論文は必修です。大半の学生はフィールドワークを行いますが、Laboratory及びLibrary Researchの場合もあります。Thesis Committeeは3人です。

 フィールドワークをする学生は、一年目の夏にフィールドワークを行い、二年目に論文を書き上げるのが一般的です。したがって、修士課程にかかる標準的な時間は二年です。しかし、研究課題によってそれより長くなったり、短くなったりすることはよくあります。

 

アジア系アメリカ人研究(Asian American Studies)

 Asian American Studies は学部として独立していないので(賛否両論ありますが)学際的なところがウリです。様々な専門領域にまたがる問題を扱うことができます。どの分野を主としてやっていくか(方法論的に)は、自分の興味と、アドバイザーの専門分野により、決めることになります。UCLAには各方面で優れた研究者が集まっていますし、専門の図書館があるなど、恵まれた研究環境であることは確かです。ただ、自分の学部の博士課程の学生を優先する教授たちも多く、積極的に教授にあたらないと、なかなか学際的な指導をうけにくいという問題もあります。

 外国人学生の入学希望者のなかでAsian American Studies をアジアとアメリカ合衆国との国際関係学部だと勘違いしている人がいますが、ここはエスニックスタディーズとしてのアジア系アメリカ人研究科です。国際関係はあくまで人の移動やエスニックな文脈でのみ扱われるということをお知りおきください。また、割とクリティカルな性格の学科ですので、ある程度雰囲気を知っておいたほうが入学してから“あわない…”なんてことがないと思います。

 出願にはGREは必要ありません。ただし、論文1本(直接アジア系アメリカ人に関係のある内容(学部時に書いたレポート、卒論、あるいはアジア系アメリカ人のための団体で働いたことのある人は、仕事で書いた報告書でもよい。))が要求れます。もちろん学部時代の成績は良いほどいいし、アジア系アメリカ人コミュミティで経験があるほうが入学に有利です。

 必要単位は次のようになっています。

1)方法論(アジアの言語をマスターするか、方法論(アッパーディビジョンか大学院のクラス)を3クラス取るか。)

2)11クラス

a)うちAsian American Studies の大学院ゼミ3クラス(1年目に毎学期1クラスずつ取らなければならない。)

b)文化人類学、教育学、文学、歴史学、社会学などの大学院のクラスからアジア系アメリカ人に関するもの3クラス(クラスのリストから選ぶ。リストにないクラスでもアカデミックアドバイザーと話し合いの結果認定されることもある。)

c)その他自分の専門分野に関連のあるクラス4クラス(うち3クラスはアッパーディビジョンでもよい。)

3)修士論文、コミュニティプロジェクト、総合テスト(いまだかつて誰も挑戦したことがない。)のうちひとつ

日本人の場合で日系アメリカ人に関しての研究を行う場合は1)が免除されるようです。また、3)においてはほとんどの人が修士論文を選択するようです。1)〜3)を早い人は4学期で、のんびりした人は5年以上かけて修了します。大体平均的な学生は、2年程度で卒業します。

 卒業後の進路は専門分野の博士課程に進み、研究者になることが多い(ような気がします。)のですが、医学部や法律学へ行き、(あるいは直接)アジア系アメリカ人の団体に勤める人もいます。

Asian American Studies一般についての参考資料:

Wang, L. Ling-Chi, "Asian American Studies," American Quarterly, Vol.33: 3, 1981.

Mazumdar, S., "Asian American Studies and Asian Studies: Rethinking Roots," in Asian Americans: Comparative and Global Perspectives, S. Hune et al. (eds.), pp. 29-44, 1991.

Omi, M, "It Just Ain't Sixties No More:The Contemporary Dilemmas of Asian American Studies," in Reflections on Shattered Windows, Pullman: Washington State University Press, pp. 31-36, 1988.

 

電気工学(Electrical Engineering)

 電気工学の大学院にはApplied Plasma Physics/Fusion Engineering、Communications and Telecommunications、Control Systems、Electromagnetics、Integrated Circuit and Systems、Operations Research、Quantum Electronics/Photonics、Signal Processing、Solid-State Electronicsの9つの専攻分野があり、約350人の学生が研究に取り組んでいます。電気工学科はたいへん大きな学科なので、それぞれの分野で色彩がかなり違います。したがって、同じ電気工学専攻と言っても専攻分野が違う場合、全く違う内容の研究をしていることが多々あります。学生は入学時にどの分野を専攻するかを決めますが、入学後も変更は可能です。

 9つの専攻分野の中には物理に近いものや数学に近いものなど様々です。大まかに言うと、Applied Plasma Physics/Fusion Engineering、Solid-State Electronicsなどは物理に近く、Communications and Telecommunications、Control Systems、そしてOperations Researchは数学よりと言えるでしょう。したがって、これらの分野を専攻している学生の中にはMinor分野として物理や数学の授業を取っている学生もいます。

 入学にはとても高いGPAが必要なようです。GPAが3.9や4.0の学生もたくさんいます。また、GREのGeneral Testは必要ですが、Subject Testは必要ありません。卒業するためには、大まかに言って、修士号(Master)には1〜2年、博士号(Ph.D.)には4〜5年かかりるようです。修士号・博士号の必修科目については本誌の「大学院のRequirements」の項を参照してください。

 電気工学科では修士号と博士号の他にも、Engineer DegreeとCertificate of Specializationという学位と証書を授与しています。Engineer Degreeは博士論文のない博士号とでもいうべきもので、コースワークと卒業試験が必修科目となっています。ただし、卒業に必要なクラスの単位はPh.Dよりも多くなっています。普通、博士過程入学から2年くらいで卒業可能なので、Masterでは物足りない人やPh.Dに挫折した人にはいいかもしれません。また、Certificate of Specializationは5つのクラスを取るだけでもらえます。5つの必修科目のうち3つまで学部のクラスを取っても構わないので、頑張ると1〜2学期で取り終えることができます。しかし最低3学期はUCLAにおいてクラスの登録しなければならないので、Masterに挫折した人にはいいかもしれません。しかし、この証書を取ってもあまり意味がないせいか、実際に取った人を聞いたことがありません。

 

社会学(Sociology)

 修士課程と博士課程は一つのプログラムに統合されているので、修士号を持っている人が博士課程から入ることは、事実上不可能です。もし修士号を持っているならば、修士課程に入った後、以前自分の書いた修士論文を提出して(日本語の場合は当然英訳する必要があります。)、それが認められれば修士課程の必修科目・単位が免除されることになっています。でも修士課程での必修単位は、その多くが博士課程の必修単位にも使えるので、実際上修士課程の必修単位が免除されてもそれほどの変わりはないと思われます。他の大学の大学院で取った単位の振り替えは認められていないようです。

 社会学は1)Macrosociology、2)Quantitative、3)Communities and Institutions、4)Social Psychology、5)EPOSの五分野に分かれていて、修士課程を終える段階で正式に分かれます。しかし、ほとんどの学生は入学してきた段階で大体の目当てをつけているようです。各分野は研究対象というよりその方法論によって分かれています。

 まず1)ですが、UCLAの看板分野で高名な教官が顔を並べています。「マクロ社会学」とは一言で説明するのはなかなか難しいのですが、あえて言えば社会現象を歴史的に、もしくは他との比較の視座から把握しようという、文字どおり「マクロ」な分野です。ただしこの分野の方法論は全く定まっていないので、学者それぞれの立場があまりに違いすぎるということでしょう。2)は文字通り「計量」社会学で、高度の(といっても社会学者のする範囲内でのことですが)統計学的な手法が要求されます。例によってアジア系の学生の多くはこの分野に入っています。3)は社会調査をしてその結果を分析するという、伝統的な社会学の方法を取っています。その際1)の持つ理論的志向、2)の統計的手法、また5)の持つフィールド調査のテクニックなども必要になりますが、3)はそのどの方法論にも特化するのをきらう学生が集まります。またこの分野は結果的にアメリカ社会のエスニシティやジェンダーに関心がある人が集まっているように思います。4)は心理学的な視角からアプローチしようというもので、集団行動の実験を行ったり、メンタルヘルスの問題を扱ったりします。5)もUCLAの看板分野の一つです。というのは、「エスノメソドロジー」と言われる、独特の方法論を60年代に編み出したガーフィンケルという人が長くこの学部で教えていて、定年退職した今でもたまにゼミを持っています。またその他にもこの方法論を使う高名な学者が多数集まっています。というわけでエスノメソドロジーではUCLAは世界一ですが、この方法論自体は世界全体の中では(名の知られている割に)マイナーです。

 この五つの分野では、博士課程での必修単位、論文試験その他が違うばかりでなく、それぞれのカルチャーまで違います(なかには学生や先生の歩き方まで違うという話もあります。)。修士号・博士号の詳しい必修科目については本誌の「大学院のRequirements」の項を参照してください。

 大学院に入ってから博士を取るまで、だいたい6年から10年といったところでしょう。おおむね留学生は短めで6年くらいで終えることが多いようです。アメリカ人は7年以上やっていることが多いように思います。以前シカゴ大学出身の教官と話したことがあるのですが、 UCLAの学生はシカゴ大学に比べて平均して1、2年博士号をとるのにかかる年月が長いということなのです。その教官の類推によれば、ロサンゼルスはいろいろと遊べる誘惑が多く、おまけに気候はよく空はいつも晴れ渡っている(この空の下で部屋にこもってシコシコと勉強をしていると、それがあまりにもばからしく思えてくるというわけです。)。これはシカゴなどとは大きな違いです。このseductionが、博士号取得にかかる年限に影響しているというわけです。これをSouthern Californian-Effectと呼ぶことができます。

 

応用言語学(TESL(Teaching English as a Second Language)/Applied Linguistics TESL) 

 この専攻 は言語に関わる様々な問題を研究対象としています。言語学と他の分野、例えば教育学、社会学、人類学、心理学、脳性理学などとの接点に立つような研究を目的としているため、Inter-departmentという形をとっており、上に挙げた学部のコースを幅広くとることが勧められています。

 研究分野は大きく三つに分かれています。つまり、言語修得(Language Acquisition)、言語評価(Language Assessment)、そして談話及び文法分析(Discourse、Grammar Analysis)です。言語修得は第一/第二言語修得の両方を扱っており、修得過程や特徴の理論的説明(心理学/社会学/脳生理学などの観点から)、また、第二言語であれば、その効率的な指導方法、教授法の追及、そしてその他に、第一言語と第二言語修得過程との比較、Native SpeakerとNon-nativeとの言語システムの比較といったことも研究されています。言語評価は、言語能力の測定方法及び統計の理論とその実戦方法に主眼を置いた研究分野です。談話及び文法分析は、言語使用者が実際の言語使用の場面でどのように言葉を生産/解釈するかということが研究対象となっている分野で、使用された言語の言語構造を明らかにし、その上に社会学や人類学の理論を重ねていくアプローチをとります。また、M.A.の場合は英語教員養成コース(TESL Certificate Course)を選択することもできます。学部には様々な教授法のコースが出されており、教育実習のコースはM.A.の必修科目になっています。

 M.A.は修士論文が必要で、およそ2年くらいで終了します。Ph.D.は人によりますが、4〜6年くらいかかるでしょう。ただ、M.A.をUCLAで取った場合は早く終えることが可能です。

 学科事務所 では、学科の特徴、コースやスタッフの紹介などを載せたBrochureを作っていますので、詳しくはそちらをご覧下さい。Graduate Advisor に連絡すれば手に入ると思います。

 

 

 ロサンゼルスでは夏の間サマータイムが導入されている。具体的には、4月の第一日曜日から、10月の最終日曜日までをサマータイムとし、日本時間とは16時間の時差となる。それ以外の時期には時差は17時間である。したがって、4月の第一日曜日の午前2時に、1時間時間が進んで午前3時となり、逆に10月の最終日曜日の午前2時に、1時間時間が戻って午前1時になる。たまに、サマータイムを忘れて、クラスに遅刻するという人がいるので、ご注意を。

 

 

 日系の食料品店やレストランなどに行くと日本語の雑誌が無造作に置いてあることがある。ロスアンゼルスにはいくつかの日系雑誌が発行されており、日本人・日系人にとっては何かと便利な情報を提供している。これらの雑誌は店頭で無料で配布されている。月初めに発行されるものが多いのでほしい人はその頃出かけるとよい。もし確実に手に入れようとするならば、いくらかの代金を支払うと自宅まで届けてもらおうことができる。以下に主な雑誌を列挙する。

Bridge USA

        月2回発行、巻頭の特集はいつも興味深い。LAの店、レストランの情報など豊富な情報量が嬉しい。

Gateway USA

        月2回発行、LAのイベント、コミュニティなどに関する情報を載せている。

The Japanese Daily Sun(日刊サン)

        毎日発行、スポーツ関連の記事を中心に芸能情報から政治・経済面の記事もある。

Lighthouse

        月2回発行、巻頭の特集もさることながら、日系のテレビガイド・芸能などのニュースもある。

RyugakUSA

        年6回発行、アメリカに留学している留学生の声や留学生活から得た経験談などを載せている。

Study USA

        月1回発行、英語学校・大学・大学院に留学するための各情報を掲載している。

VOGA

        月1回発行、ファッション・レジャーの情報を中心に様々な情報を掲載している。