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論文解説EXPLANATION ABOUT PAPER

フルブリッジダイオード整流器に接続された非接触給電システムのための力率補償器

 電気学会論文誌Dの2013年6月号に論文「フルブリッジダイオード整流器に接続された非接触給電システムのための力率補償器」が掲載されました。本論文は同誌の2012年3月号に掲載されたレター「非接触給電におけるダイオード整流器用補償回路」で提案した回路を実験を含めてより深く検証したものです。
 これらの論文では非接触給電装置の動作を改善するためにLCLC補償器という回路装置を提案しています。この名前は回路素子の配置に由来しています。Lはコイルを、Cはコンデンサを示しており、最初の3文字はLとCをT字状に配置していることを意味し、提案回路はそれにCを接続した構成になっています。最初の3文字の名前をもつLCL補償器は以前から広く使用されていたのですが、この補償器が(フルブリッジ)ダイオード整流器に接続している場合、十分な改善効果を発揮することができませんでした。
 改善効果が十分に得られない理由は、回路に流れる電流が歪んだ波形をもつことだと考えられました。そこで提案したのがLCLC補償器です。LCLC補償器はLCL補償器にLとCを直列に接続した回路構成(追加したLはLCL補償器の3つめのLと合わせて1つにしている)を持っています。LC直列回路は波形の歪みを減らし滑らかにする作用を持っており、これで、非接触給電の動作を改善できないかと考えました。
 本論文では従来の補償器の特性やその長所・短所について解説し、それらと比較しながらLCLC補償器の動作原理や動作特性の説明を行っています。また最終的に実験を行い、LCL補償器に比べて送電効率を大きく改善できることを確認しました。電気学会論文誌D

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