電波吸収体に関する電磁界シミュレーション

高出力レーダの高ERP(Effective Radiation Power)測定等、高電力下における電波吸収体の使用状況も急増している。 しかし,このような場合、吸収した電力により吸収体自体の温度が 大きく上昇することから、発熱による延焼や温度変化に伴う吸収特性の変化が予想される。 そのため電波吸収体内の温度分布の把握することは、吸収体の使用限界やその特性変化への対策等を行なうにあたり極めて重要となっている。 このような背景において、本研究では耐環境性に優れることから、より苛酷な環境で用いられるFRPタイプの2層型電波吸収体に着目した。 そして、この吸収体内部をFDTD-HTE法(Finite Difference Time Domain - Heat Transport Equation Method)を用いて構成し、照射電力および周波数に対する温度分布解析を行ない、ハイパワーの実験等における電波吸収体の温度分布等に対する定量的な資料の提供を目的とした。