アルミナセラミックスを用いた一層型電波吸収体に関する一検討 ~厚みの依存性を考慮した場合~

近年、ミリ波帯における無線通信機器の普及に伴い、電波環境の悪化が懸念されており、 対策として電波吸収体及びシールド材が活用されている。 本研究室では、一層型電波吸収体の一例として、加工精度、耐熱性に優れた セラミックス材料に着目した。 文献によりアルミナセラミックスにカーボンブラックを1.2%含有した誘電損失材料を用いて、 吸収体として実現した例が報告されているが、本試料は製造工程において、 常に試料内で材料が均一となることは困難であり、 複素比誘電率の再現性に影響を与えることが考えられるため、 その影響を考慮して検討を行う必要がある。よって本研究では、 試料厚みの依存性を考慮した設計の有効性を示し、吸収体の実現を目的としている。