電波吸収フィルムを用いた金属箱内の電界分布に関する実験的検討(その2)

近年、室内における無線LAN、携帯電話などの電波利用が進むにつれ、電磁界環境の悪化や、多周波数の電波が混在するなどの問題が生じている。室内において電波は壁や天井で反射し、それらが干渉して定在波が生じる。すると谷の部分で通信速度の低下が生じたり、山の部分で他の電子機器に誤作動が生じたりするため、定在波の振幅を抑える必要がある。そこで我々は、周波数に依存することなく電波を吸収でき、かつ自由空間で最大の吸収量が得られる面抵抗値をもつ電波吸収フィルムに着目し、このフィルムの設置環境における有効性について検討した。