ダブルループアンテナを用いたアレーアンテナ関する検討

近年、Ku帯においてアンテナを用いた移動体衛星通信に関する研究が注目されている。 一般に陸上移動体用の衛星は天頂方向には存在せず、 日本において衛星は仰角約30~60度方向に 位置しているため、効率よく衛星との通信を行うためにはアンテナの主ビームもそちらの角度に向いていることが望ましい。 この要求を満たす一例として、反射板付ダイポールアンテナを用いたフェーズドアレーアンテナが報告されているが、アンテナを反射板から約半波長程度の高さに配置する必要があり、自動車等に設置する移動体用アンテナとして用いるには厚くなるといった欠点がある。 そこで、本研究では薄型化が期待でき、かつビームチルトした単一指向性を有する 素子アンテナに着目し,直線偏波を有するダブルループアンテナを提案する。