システム制御工学研究室

                                                                                                  助教授   米山 淳

 本研究室では、現代制御理論に基づく制御工学・システム工学の研究を行っている。研究テーマは、主に理論的なものと実験・シミュレーションに分かれる。ただし、システム工学・理論は、工学的なものだけに限定されるわけではないため、研究テーマも工学に限定されない。つまり、理学的なもの(例えば、数学)、経済学、マネジメント、運動学、生態・生体学、政治学などにも応用できるテーマの選択も可能である。また、2005年度より、北里大学医学部などとの共同研究の機会もある。

2006年度の主なテーマは以下の通りである(ただし、これだけに限定されるわけではない)。

ほぼすべてのリンク先に動画があるので、参照のこと。

1.航空機・ヘリコプタの姿勢制御

ヘリコプタモデルを用いて突風などの外乱・モデル化誤差を抑制する姿勢制御の研究を行う。

2軸ヘリコプタ:http://www.ee.aoyama.ac.jp/Labs/yoneyama-www/helicopter.htm

3軸ヘリコプタ:

http://www.quanser.com/english/html/products/fs_product_challenge.asp?lang_code=english&pcat_code=exp-spe&prod_code=S1-3dofheli&tmpl=1

2.モデル追従制御

磁気浮上システム、人工衛星システムを用いて、目標値に追従するような制御方法の研究を行う。

磁気浮上システム:http://www.ee.aoyama.ac.jp/Labs/yoneyama-www/maglev.htm

人工衛星システム:http://www.ee.aoyama.ac.jp/Labs/yoneyama-www/gyro.htm

3.二足歩行ロボットの制御

人間型ロボットである二足歩行ロボットの研究を行う。小型のロボットを用いて歩行の研究を行うと同時に、ロボットのK-1にあたるROBO-1http://www.robo-one.com/)にも出場予定である。また、倒立振子システムを用いた安定化制御も行う。

二足歩行ロボット:http://www.ee.aoyama.ac.jp/Labs/yoneyama-www/humanoid.htm

倒立振子システム:http://www.ee.aoyama.ac.jp/Labs/yoneyama-www/pendulum.htm

4.生物型・昆虫型ロボットの制御

地震・テロなどで破壊された建造物の調査・人命救出などに用いられる生物型・昆虫が他のロボットの研究を行う。八つの足を持つ生物型ロボットを用いて、四足・六足・八足の生物・昆虫の歩行の研究を行う。

http://www.ee.aoyama.ac.jp/Labs/yoneyama-www/biorobot.htm

http://www.aai.ca/videos/oct.rm

5.ロボットの製作

上記にある二足歩行ロボット、生物型ロボットの開発・製作を行う。また、医療用のロボットの研究も行う。生物型としては蛇型ロボット、魚型ロボット、鳥型ロボットなどを考えている。特に、空を飛ぶロボットはほとんど見当たらないため、非常に画期的と思われる。医療用のロボットは北里大学医学部との共同研究となりうる。

6.サッカーロボットの研究

分散型協調ロボットの研究の一つとして、サッカーロボットが挙げられる。複数のエージェントにより一つの目的を達成するようなロボットの研究を、サッカーロボットを通じて行う。ケペラUの使用を予定している。現在は、ケペラにより物体の認識、障害物回避、物体の運搬などが可能である。

ケペラU:http://www.aai.jp/products/khep2.html

7.画像認識を用いた制御

ロボットの眼として、CCDカメラなどにより物体を認知することは必要不可欠である(例えば、障害物回避、対する物体が敵か味方か、対話している人間の表情の認知など)。ここでは制御に必要な画像認識の研究を行う。一方、本人の確認・特定のため手書き文字認識、指紋認識などは実用性が高い。これらの研究も考えている。

8.音声認識による制御

音声によるロボットの制御を行う。リモコンなどの装置でロボットに指示をするのではなく、人間の声を認識させてロボットを制御させることを考えている。

9.制御用ソフトウエアの開発

上記のハードウエアを開発・制御するためには、ソフトウエアの開発も不可避である。したがって、各制御装置に適応したソフトウエアの開発を行う。

なお、卒業研究や大学院の研究は学生の自主性が重要であると考えるので、上記以外のテーマでも制御工学・システム工学に関連する研究であれば、学生の希望を加味して研究のテーマとなりうる。さらに、研究活動を通じて、英文の論文を読んだり、研究結果を文章にまとめたり、研究発表をすることで、英語力・作文力・表現力の向上も目指している。

 本研究室は、他の研究室に比べて新しいため、コンピュータ・実験設備なども大変新しい。したがって、新しい設備を用いて新鮮な研究を行うことができる。また、年数回の研究発表会や懇親会などメンバーの親睦も行っている。現在の所属メンバーは、大学院博士前期課程2年生4名、1年生4名、学部4年生11名である。来年度は4名が大学院進学予定である。