研究室について(現在更新中なので、しばしば見に来て下さい。)


  1. 研究室の概要
  2. 卒業研究テーマと概要
  3. 研究室のゼミなど

研究室の概要

 本研究室では、現代制御理論に基づく制御工学・システム工学の研究を行っている。研究テーマは、理論的な研究と実験・シミュレーションによる研究に分かれる。理論的な研究としてはモデル化誤差やシステムパラメータの変動などの影響を考慮した二次安定化制御、システムに混入する外乱の影響を抑制する外乱抑制制御、確率的な未知の外乱が混入するシステムに対する確率システム制御、システムの目標値が一定ではなく時間の関数である追従制御、ディジタル機器を用い高度な制御性能のあるディジタル制御、非線形システムを取り扱う場合の非線形システム制御、あいまい性を取り入れたファジィシステム・ファジィ制御や、および現在様々な分野で実用化されているニューラルネットワーク・遺伝的アルゴリズムの制御システムへの応用など、が挙げられる。実験・シミュレーションを主とするテーマは、二足歩行ロボット及び八足生物型ロボットその他のロボットの製作と制御、音声及び画像認識制御用ソフトウエアの開発などである。さらに、北里大学との共同研究である医療ロボットの研究も行う予定である。


研究テーマと概要

主なテーマは以下の通りである。

  1. 不確かさを含むシステムに対する制御
  2. 外乱抑制制御
  3. 確率システム制御
  4. ファジィシステムとファジィ制御
  5. ディジタル制御
  6. むだ時間システムの制御
  7. 追従制御
  8. ロボット制御
  9. 画像認識

不確かさを含むシステムに対する制御

ロボットや航空機など実際のシステムを理論的に制御するには、運動方程式や電気回路方程式などを用いて、システムを数式で表さなければならない。システムを数式で記述することを「モデル化」という。ただ、実際にはシステムを正確に数式で記述することは極めて難しい。例えば、システムのある部分の摩擦係数が環境の温度により変化したり、システム中のある部分の質量が消耗により変化する。また、正確に測定できない部分がシステム中に存在することもある。このように、大なり小なり実際のシステムと数式の間にはモデル化誤差が現れる。しかし、モデル化誤差があっても、システムを、目的の状態に制御することが望まれる。これを達成する制御を「ロバスト制御」という。

外乱抑制制御

ロボットや航空機など実際のシステムを理論的に制御するには、運動方程式や回路方程式などを用いて、システムを数式で表さなければならない。システムを数式で記述することを「モデル化」という。ただ、実際にはシステムを正確に数式で記述することは極めて難しく、大なり小なり誤差が現れる。しかし、モデル化誤差があっても、システムを目的の状態に制御することが望まれる。これを「外乱抑制制御」という。

確率制御

実際のシステムを制御する場合には、モデル化誤差の他にモデル化できない外乱を考慮しなければならない。例えば、ヘリコプタの制御を考えた場合には、風の強さは時々刻々変化するし、ヘリコプタの高度を測る計器にも測定誤差が出る可能性がある。そのような外乱や誤差を確率的な変数とみなし、制御則を設計する方法がある。これを「確率システム制御」という。実際に、ヘリコプタの姿勢を制御する場合には、風の強さや風の抵抗を考慮する必要があり、この制御方法は有効である。

ファジィシステムとファジィ制御

ファジィシステム
我々が実際に制御しようとするシステムには極めて複雑なものが多く、システムがモデル化できたとしても、制御則の設計が困難な場合が多い。そこで、複雑なシステムを扱いやすい線形システムとファジィ集合を用いて近似し、制御則を設計する方法がある。このようにシステムを線形システムとファジィ集合を用いて近似したシステムを「ファジィシステム」という。
ファジィ制御
人が自動車の運転を行う場合、基本的にはアクセル、ブレーキ、ハンドルの操作を行えばよい。右折しようとする場合は、アクセルを離してブレーキを踏み、ハンドルを右に切りながら曲がり、曲がり終えたらハンドルを中央に戻す。この操作には、速度を何kmにするとか、ハンドルを何度切るというような定量的な事項はない。しかし、運転手が十分な訓練をしていれば、幾分あいまいな操作でも右折という目的を達成できる。このようなあいまいな概念を取り入れた制御方法を「ファジィ制御」という。ファジィ制御には、専門家の知識や経験を言語的規則により反映できる、簡素な制御手法を組み合わせて用いるために、多くの技術者にも受け入れやすい、などの特徴がある。

ディジタル制御

マイクロプロセッサなどのディジタル技術が急速な発展をみせて以来、それまでのアナログ機器を用いた制御に変わり、「ディジタル制御」が広く普及してきた。ディジタル機器を用いる理由としては、
1)複雑な制御則が比較的容易に実現できる。
2)制御則の演算制度を高めることが容易である。
などが挙げられる。

むだ時間システムの制御

システム内の情報が遅れて伝達されるようなシステムを「むだ時間システム」という。むだ時間システムは、工業プロセスなど工学系をはじめ多くの分野で見受けられる。ここでは、個々のサブシステムの情報が時間的に遅れてつぎのサブシステムに影響するむだ時間システムに関する研究を行う。

ロボット制御

現在、二足歩行ロボットと八足ロボットによる研究をメインとして行っている。二足歩行ロボットは、ロボットのK−1であるROBO−1への出場を目指している。八足ロボットは、危険な地で活動するロボットを目指し、その歩行動作の研究を行っている。

画像認識

人間は、顔の表情から他人の感情を類推することができる。将来的には、ロボットが人間の顔の表情から人間の感情を察することが必要と思われる。ここでは、人間の顔の表情画像より、ロボットにその表情を認識させる研究を行う。また、画像認識は、顔の表情だけに限らず、文字認識・指紋認識などにも応用できる。

その他のテーマ

制御理論は多くの分野で応用されている。例えば、以下のような制御問題に、上記の制御論を応用できる。これらの分野から研究テーマを選ぶことも可能である。


研究室のゼミなど

卒業研究について

輪講について

その他

電気制御I・電気制御IIを履修していることが望ましい。